当院では2000年から診療に超音波診断装置(超音波)を用いています。
最近は特に解像度がよくなり診断、治療への活用方法が増えてきました。
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超音波診断装置を用いた診療

1.診断
- 肩腱板損傷の診断
以前から腱板損傷の診断には用いていましたが、解像度が高くなり、一部が損傷した不全損傷の診断も可能になっています。MRIよりも断裂の状態がわかりやすい場合もあります。他に関節内や滑液包内の水腫(水が溜まっている)も診断できます。 - 筋肉、腱、靭帯損傷の診断
スポーツでの大腿部や下腿部の肉離れの診断では、筋繊維の損傷の程度、出血の範囲がよくわかります。また、改善までの過程も評価できるので、スポーツやトレーニングを再開する判断材料になります。
足関節の捻挫(靭帯損傷)でも損傷の程度や関節内の出血の程度を診断できます。固定治療の期間やトレーニング開始時期の判断も行えます。 - 関節、腱の炎症の診断
超音波では関節内や腱鞘内の水腫(腫れ)を観察することができます。また、血流を捉えることができるので炎症の強弱を判断できます。
腱鞘炎、アキレス腱炎、関節リウマチの診断に用います。 - 軟部腫瘍の診断
手、足に出来たしこり、腫瘤の診断に用います。1~2mm径の腫瘤の診断も可能です。動脈や神経との位置関係も診断できます。
2.治療
- 超音波下 関節内注射
手、足の小さな関節では針の刺入する方向や位置の判断が難しいことがあるので超音波下に施行します。肩や膝関節でも利用します。 - 石灰性腱炎の石灰除去
超音波で石灰の塊を確認して、針を刺入して石灰を除去します。痛みがある方におすすめの治療法です。 - 筋膜リリース、50肩に対する癒着リリース
筋肉間の炎症、癒着による肩こり、頸、腰痛では超音波をガイドにして、筋膜間に針を進めて液を注入することで癒着を剥離して鎮痛する治療を行えます。肩こり、肩、膝周囲の痛みがある方におすすめの治療法です。50肩など関節内、関節周囲の癒着に対してもリリース注射を有効に使用します。
ロコモティブ ・シンドローム(ロコモ)について
ロコモとは運動器(筋肉、骨、関節、神経)の障害により要介護になるリスクの高い状態です。日本人の平均寿命は女性87.3歳、男性82.3歳(2018)であり世界的にも高い水準ですが、自立した生活のできる健康寿命は女性で12歳、男性で8歳短く介護が必要な状態が長いことを示していて決してよい数字とは言えません。健康寿命をのばすには、運動器の障害の予防が必要になります。運動器の障害は、大きく運動器自体の疾患と加齢による運動器機能不全の2つがあります。運動器の疾患には変形性関節症や骨粗鬆症に伴う関節、脊椎の変形、脊柱管狭窄症などがあり、これらにより移動能力が低下、骨折で寝たきりになります。また加齢による運動器不全は筋力低下、バランス力の低下により移動能力の低下、転倒で骨折を生じて要介護状態になります。
ロコモを予防するには、変形性関節症や骨粗鬆症を進行させないこと、筋力低下、バランス力の低下を防ぐことが必要になります。疾患に対してはそれぞれに対して治療が必要ですが、筋力、バランス力に対しては運動習慣を作ることが大切です。肥満対策、筋肉の増加、骨を丈夫にするための栄養補給が大切になります。タンパク質やビタミンの摂取は若い頃以上に必要です。
当院ではロコモ対策としての運動指導、栄養指導を行っています。
手術について

日帰り手術について
当院では、下記の日帰り手術で行っています。
ばね指の手術では、皮膚切開をしない皮下腱鞘切開術も患部の状態を考慮して行っています。
なお、状態により術後に通院が必要です。
- 当院で行っている日帰り手術
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- 鏡視下手根管開放術(約20分)
- 肘部菅症候群など上肢の神経剥離術(30分から40分)
- ばね指、ケルバン病に対する腱鞘切開術(15分から20分)
- 内視鏡を用いた肩関節滑膜切除術(30分)
- 手関節、手指の骨折に対する手術(30分)
症状、損傷の程度や患者様の希望によって関節鏡手術の適応を決めます。
症状によっては関節鏡を用いないこともあります。
手術を行う病院は、患者様と相談の上決めることになります。
- 院外で行う手術
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関節鏡を用いた手術
- 肩腱板損傷に対する腱板修復術
- 反復性肩関節脱臼に対する靭帯、関節唇修復術
- 投球障害に対する靭帯、関節唇修復術
- 五十肩など関節拘縮に対する関節包切開、授動術
その他の手術
- 腱板広範囲断裂に対する腱板再建術
- 肩人工関節置換術
- 投球肘障害や変形性肘関節症に対する鏡視下手術
- 手関節鏡視下手術 など
- 院長が手術を行っている病院
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- 光生病院(岡山市)
- クワヤ病院(高松市)
- 赤磐医師会病院(赤磐市)
- 鏡野町国保病院(苫田郡)
- 岡山市立市民病院(岡山市)
- 倉敷成人病センター(倉敷市)
- 玉島中央病院(倉敷市)他
手術件数
2022年の手術
院内
鏡視下手根管開放術 | 50件 |
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正中神経剥離術 (手根管症候群の透析再発例) |
5件 |
肘部管症候群に対する尺骨神経剥離術 | 4件 |
腱鞘切開(バネ指) | 52件 |
手指骨折に対する関節手術 | 3件 |
手指靭帯修復術 | 1件 |
良性腫瘍摘出術 | 11件 |
鏡視下肩滑膜切除術 | 2件 |
有鈎骨切除術 | 1件 |
テニス肘に対する腱切離 | 0件 |
院外
鏡視下腱板修復術 | 72件 |
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鏡視下バンカート修復術 | 9件 |
肩関節脱臼に対するBristow変法 | 7件 |
拘縮肩に対する鏡視下関節包切開 | 3件 |
投球障害に対する鏡視下手術 | 3件 |
鏡視下手根管開放術 | 5件 |
肩人工関節置換術 | 5件 |